【順調に進んでいく事業】
2013年、新たな試みとして別の自治体に薬局とダイエットサロンを併設した新店舗は、開業後はどちらの事業も順調そのもので、薬局には遠方の他市町村からも多くの患者様が訪れ、サロンの利用者数も年を経るごとに順調な伸びを見せていました。手応えのある成果が得られ、事業が本格的に軌道へ乗り始めたことを確かに実感していた時期でした。
サロン全体の運営は当時の妻に任せていました。彼女の希望もあり、この勢いを活かして次なる一手として盛岡市へサロンの進出を計画しました。わたしは新店舗の立ち上げ準備へ着手し、賃貸契約を交わした物件の改装工事や運転資金の確保のため、友人の手助けも受けながら連日のように銀行との融資交渉へ奔走していました。
せっかく新しく立ち上げるのであれば、地域で一番と誇れるサロンを目指したい——。その強い情熱を胸に、内装には洗練された高級感を追求しました。従来の店舗とは一線を画すハイクラスな空間をつくりあげるため、資金調達にも万全を期し、通常以上の潤沢な予算を確保して開業準備を進めていたのです。そして、2015年5月に盛岡のサロンをオープンする事ができました。
【突然崩れていく現実】
ところが、念願のオープンとほぼ時を同じくして、当時の妻から突如として「別れ」を言い渡されたのです。目の前の日常と築き上げてきた世界が、一瞬にして瓦解していくような大きなショックを受けました。切り出された理由はあまりにも不明瞭で、頭の中は「なぜ?」という疑問で埋め尽くされたまま、ただ茫然と仕事に向かう日々が続きました。
衝撃と混乱からすぐには現実を受け止めることができず、離婚届への捺印も躊躇せざるを得ませんでした。しかし悲嘆に暮れる暇もなく、立ち上げたばかりの店舗を責任を持って牽引していかなければならないという現実が容赦なく押し寄せていたのです。
やがて時の経過とともに判明したのは、彼女の傍らにはすでに別のパートナーが存在していたという事実でした。心は深く抉られ、強烈な空虚感に襲われました。しかし湧き上がったのは怒りよりもむしろ、これから背負っていくものの重さと、重圧が肩にのしかかることへの恐ろしさでした。
仕事こそ何とか手を抜かずにこなしていたものの、立ち上げたばかりのサロンを軌道に載せる事に全集中していたので偏りはありました。そして、当時の私生活は崩壊したも同然の状態に荒んでいました。側近や秘書も置いていない、ほぼワンマン体制の経営者です。未熟さや感情の起伏から危うい面も数多く見せていたはずです。それでも、誰一人として離れることなく寄り添い、温かく支え続けてくれた社員たちの存在には、心から深く救われました。
それでも心の空虚感はどこか残ったままでした。






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